2008年08月27日

すれ違い・2

ほのかに
煙が上がる

太陽の為に
海へと沈んだ
星の煙

せめて
煙だけでも
空へ還してやろうと
太陽は精一杯
上へ上へと駆け上がる

けれど
太陽が近づくほどに
星は遠くなり
空は高くなる

そして太陽は
いつしか諦めにも似た
真っ赤なため息をついて
再び海のそこへと
もぐってゆくのだ

石になった星を
拾い集めるために







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2008年08月26日

おさとうアリス


ねぇ、アタシ
おさとぉがしの
「が」がきらい
てんてんついてると
かわいくないの

ねぇ、アタシ
きゃんでぃの「で」とか
じゅぅすの「じ」。
そぉゆーてんてんは
ゆるしてあげてる

だからおさとぉがしはあしたから
「あい あむ あ きゃんでぃ」って
なのるのよ

そしたらぎゅうって
だきしめてあげる
ないてとけることも
なくなるはずよ

ちゃんということ
きいてくれたらアタシ
あなたにごほうびをあげるわ

アタシのおしろのべっどのうえで
あまいあまい、あまいきす!






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2008年08月24日

夜明け


ぼやけた成層圏に
人工衛星のファンファーレが響く
まだ暗い空が
フラッシュの光で白み始める

砂浜の貝殻はひれ伏し
ガラス瓶は立ち上がる
忘れられたパラソルの下には
ちゃっかりやどかりが陣取っていた

さァ、時間だ。
紺色の海には
起毛した一筋の絨毯が煌いた

さァ、時間だ。
太陽が昇ってくる
昇ってくる
さざめく海を踏みしめて

太陽が昇ってくる
昇ってくる
地球が

夜明けを迎える。





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2008年08月19日

すれ違い・1

夜明け前
昇ってくる太陽の
犠牲になろうと
星が二つ、海へこぼれた

じゅ、と
タバコの火を消すような
かすかな音だけを残して
星は海のそこへ

あぁ
今日も太陽が昇る
掴み損ねた星のために

そして今夜も
太陽のために
星が降る






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2008年07月13日

題名「無垢なる幸せ」


三軒先の門の家に
いつも一匹の犬が寝そべっている
一日中ねているのよ、と
ほわほわした顔で
その家の女主人が笑った

犬のそばには猫がいた
靴下を履いたように足先だけが白い
真っ黒の子猫。
犬と同じに寝そべって
ぽかぽかと春の陽射しの中にいた

大きさがあまりにも違いすぎて
いつか
潰されてしまいやしないかと
心配になったけど
それでも猫は犬のそばにいた

寄り添うとは
こういう事なんだろうと
女主人と幾度も話した
いつしか
門は錆びていったけれど
猫と犬と、僕と女主人は
いつまでもそこで
日向ぼっこをしていた


それはもう
百年も前の話
無名の画家が描いた
一枚の絵画







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posted by さと。 at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

なつの し


わたしだけがしる
なつの し

ほたる せみ かえる
どれもこれも
ひっくりかえって はらをみせ
わたしのあしもとで
ことさらゆっくりと しんでゆく

わたしだけがしる
なつの し

てがとどかないほどに
たかくなるそら
たいようとともに
さがってゆく おんど
あの まなつ というなのいきざまが
かこのえいこうであるように
ざんしょ となをかえて
せいに こびる

わたしだけがしる
なつの し

らいねんくるなつは べつものだと
そんなあたりまえのことを
ひとはわすれている

またらいねんね
てをふるひとをみつめる
なつの しせんは
あぁ、あんなにもかなしみにみちて

あきぐちに あめがおおいのは
し をかなしむ
なつの なみだ

わたしだけがしる
わたしだけがしる

わたし
だけが











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2008年07月04日

魔女の裁縫箱

東の魔女の裁ちばさみ
夜空を切り取る裁ちばさみ
ぱちんと一筋切り目をいれて
月のボタンをそこに通す

南の魔女の針と糸
青空いろどる針と糸
最近ちょっとフンパツをして
虹色の刺繍糸を買ったとさ

西の魔女の真珠のまち針
自分で作った真珠のまち針
ところ構わずぽちぽち打って
新しい星座が出来ました

北の魔女の裁縫箱
あれもこれもとはいってる
きらきら光る裁縫箱と
明日の天気の相談だ






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posted by さと。 at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

幸せの記憶

写真の中
色褪せた水色の空は
あの日の記憶を貼り付ける

まるで
十字架に似た―――






【詩極テーマ掲示板に投稿。テーマは「十字架」でした】
posted by さと。 at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ふわふわなもの

ふわふわなもの
くるくる わっかをはきだす
おじいちゃんの ぱいぷ

ふわふわなもの
おひさまのひかりを
だっこした おひるねふとん

ふわふわなもの
ぱれぇどのぴえろにもらった
ぴんくいろしたふうせんのいぬ

ふわふわなもの
あのひ かってもらった
こっとんきゃんでぃ

ふわふわなもの
あなたのうでに だかれてねむる
あたしのきもち







【詩極テーマ掲示板に投稿。テーマは「ふわふわなもの」でした】
posted by さと。 at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月15日

卒業・4

ひろげた
手の中にあった
もの。

それが例えば
青春
とか、
そういうもので
あったとするならば、
僕はきっと

迷うことなく
あの
大空へと
投げ捨てるだろう。

なんと、
偉大なる一歩であることか!






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posted by さと。 at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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